小桜舞子 全曲集I

小桜舞子 小桜舞子 全曲集I歌詞
1.おばこ吹雪

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

明日に賭けてる 男の夢の
邪魔になっては いけないの
分かりながらも 心の内は
貴方を止めたい 冬の駅
おばこ吹雪よ ひと荒れ荒れて
上り列車を 出さないで

ねぶり流しの 提灯揺れて
秋田竿燈(かんとう) 夏まつり
竿を片手に 大見得切った
半纏(はんてん)姿に ひと目惚れ
おばこ十八 逢瀬のたびに
胸を焦がした 紺がすり

きっと戻って 私の許(もと)へ
嫁に行かない それまでは
走る列車を 追ってはみても
ホームのはずれで 行き止まり
おばこ吹雪よ 送って行って
従(つ)いて行けない その先は


2.恋する城下町

作詞:石本美由起
作曲:水森英夫

春の陽差しに 化粧が似合う
しだれ櫻の 恋ごごろ
そうよ 私の 大事な あなた
どこの 誰より 好きだから
いいでしょう そうでしょう
こころ 預ける 角館(かくのだて)

着物姿で 寄り添う影に
噂 風吹く 武家屋敷
そうよ 命を まかせる あなた
いつか 妻から 母になる
いいでしょう そうでしょう
夢が 私の 道しるべ

今じゃ 情けの 垣根を越えて
もとの 他人にゃ 戻れない
そうよ さだめを 分け合う あなた
檜木内川(ひのきないがわ) いつまでも
いいでしょう そうでしょう
愛をささやく 角館


3.涙の川

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

愛していると 言われたら
女はうれしい それだけで
寄せては返す さざ波の
涙の川に 小舟を浮かべ
まよわずに はなれずに
ああ夢を漕ぐ

この世にあなた あなただけ
他にはなんにも いらないわ
雨風じっと 堪えしのぎ
来る日の春を こころに描き
ささえあい はげまして
ああ夢を漕ぐ

どこかにきっと この舟を
繋げるふたりの 橋がある
あなたの愛に つかまって
涙の川に 小舟を浮かべ
しあわせの しあわせの
ああ夢を漕ぐ


4.堀部安兵衛の妻

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

殿のご無念 晴らすため
明日は吉良へ お討入り
その日を見れば 隠しても
判りますとも 夫婦なら
首尾(しゅび)を笑顔で 祈っても
別れがつらい 心では

「口は達者でも 父・弥平衛は老いたる身。
老いの一徹(いってつ)でどうしても
討入りに行くと申します。
旦那様 足手まといになるやもしれませぬが、
父の面倒よろしゅうお願い申します。」

たすき代りに お貸しした
赤い扱(しご)きが 縁結び
高田の馬場の 仇討ちで
二世を契った 夫婦雛
たとえ短い 月日でも
幸せでした 誰よりも

「夫婦としての歳月(としつき)は短くても
堀部安兵衛の妻として生きられたお幸は
果報者にございます。
この世で叶わぬならば次の世では必ず必ず添い遂げ
させて下さい 旦那様」

いまは他国の 赤穂でも
節でありゃこそ 忠義立て
人目を避けて 小走りに
本所目指すか 影二つ
後を見送る 丸髷に
冷たく積もる 別れ雪


5.浜あざみ

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

これから何を 生き甲斐に
生きればいいと 言うのでしょうか
貴方を奪って 行く船の
霧笛を見送る 北岬
まるで心を 読んでるように
浜あざみが 風に泣く

信じるままに 許したが
遊びの恋に する気でしょうか
波間にまたたく 浮標(ブイ)のよに
命を燃やした 岬宿
壁の竹筒 一輪挿しの
浜あざみが 散っていた

哀しいけれど いつまでに
答えを出せば いいのでしょうか
このまま待つのか 忘れるか
二つに一つの 北岬
花に言葉は ないはずなのに
浜あざみに ひとり訊く


6.倉敷しぐれ

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

あなたといつか 訪ねた宿を
今夜も選んだ 蔵屋敷
思い切る気の 旅路のはずが
女のこれも 未練でしょうか…
宿傘借りて 堀割行けば
すすり泣くよな 倉敷しぐれ

心の内は 見えないだけに
いつしか出来てた 行き違い
胸のほころび 繕う針は
この世の中に ないのでしょうか…
やつれて細い 柳の枝に
しずく重たい 倉敷しぐれ

思い出離れ 出来ない内は
失くした笑顔は 戻らない
消すに消せない 未練の糸は
月日が切って 呉れるでしょうか…
水面に映る 白壁揺らし
音もなく降る 倉敷しぐれ


7.小桜音頭

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

城を埋めるは 弘前(ひろさき)桜
枝垂(しだ)れ桜は 角館(かくのだて)
岩手(いわて) 盛岡(もりおか) 石割り桜
三春駒(みはるごま)には 滝桜
春が過ぎても 小桜だけは
いつもあなたの 胸に咲く
桜づくしの チョイトソレソレ 小桜音頭

甲斐(かい)の国には 神代(じんだい)桜
河津(かわづ)桜は 伊豆に咲く
信濃(しなの) 高遠(たかとお) 小彼岸(こひがん)桜
絵島(えしま)なみだの 花吹雪
七重八重咲き いろいろあるが
愛に私は 一重咲き
桜づくしの チョイトソレソレ 小桜音頭

岐阜(ぎふ)の根尾谷(ねおだに) 薄墨(うすずみ)桜
京都(きょうと) 平安(へいあん) 紅枝垂(べにしだ)れ
吉野山なら 千本桜
静(しずか) 義理 恋桜
いまはつぼみの 小桜だけど
いつか名のある 花になる
桜づくしの チョイトソレソレ 小桜音頭


8.おんな男鹿港

作詞:石本美由起
作曲:水森英夫

親の根性 受け継ぐからは
海に 生きると 言うあなた
小雪まじりの 荒海めざし
巻いた 錨の たのもしさ
留守をひと冬 まもる女の 男鹿港

網の重さに 掛け声かけりゃ
鱈も ホッケも 躍るだろ
御神酒供えて 大漁を祈る
母も 私も 浜育ち
今日も 明日も 無事を案じる 男鹿港

日本海なら 船方ぶしに
舵も 帆綱も 鳴るだろう
冬の寒さに 嘆かず負けず
待つは 大漁の 帰り船
春の光を 胸に呼びたい 男鹿港


9.つゆ草の雨

作詞:木下龍太郎
作曲:岡千秋

たとえ片袖 濡れようと
寒くなかった 二人なら
恋を失くした 女には
しずく冷たい ひとり傘
青むらさきの つゆ草の
花によく似た ああ みれん雨

愛を信じて 来たけれど
いつか切れてた 絆糸
憎いあなたの 裏切りを
憎み切れない 意気地なし
青むらさきの つゆ草の
花のしずくか ああ みれん雨

音も立てずに 降るものを
泣いて聴こえる 私には
胸の面影 消えるまで
女ごころに 降り続く
青むらさきの つゆ草の
花に染まった ああ みれん雨


10.ソーランおんな節

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

浮世波風 きびしさに
泣いてにげたらアー あんたのまけよ
やる木 負けん木 たえる木が やる木 負けん木 たえる木が
明日の夢まで 花咲かす
ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン
よさこい ソーラン
北の女は 心意気

なめちゃいけない 女だと
熱い心はアー はんぱじゃないよ
好きというなら 純情を 好きというなら 純情を
リボンで飾って くれてやる
ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン
よさこい ソーラン
北の女は 深情け

ままにならない 世間なら
ここは一発アー 直球勝負
愛と 勇気で がんばれば 愛と 勇気で がんばれば
越えてゆけるさ この坂を
ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン
よさこい ソーラン
北の女は 心意気


11.恋の絵図面取り

作詞:木下龍太郎
作曲:市川昭介

恋の病(やまい)は かかればつらい
薬効かない 流行風邪(はやりかぜ)
父から盗む 絵図面は
本所松坂 吉良屋敷
惚れたお方に 役立つならと
娘ごころは 命懸け

「九十郎さま。どうしても欲しいと言われた
これが吉良様の絵図面にございます。
棟梁の父・藤兵衛が命より大切な品。父を裏切ったこの想い、
お艶をどうぞ見捨てないでください、九十郎さま……。」

浮かぶ面影 現(うつつ)か夢か
娘島田の 箱枕
赤穂の方が 討入りと
声が耳打つ 雨戸越し
虫の知らせか 女の勘か
押さえ切れない 胸さわぎ

「赤穂お武家さまの中に、あっ、あれは九十郎さま。
羽織のお名前は、えゝ岡野金右衛門様。私を騙してあの絵図面を。
いいえ、私を見つめるあの目に曇りはない。
あの恋はいつわりではなかった。お艶はそう信じております。」

嘘か誠か その目を見れば
惚れた女子にゃ 判るもの
知らずに出来た お手伝い
うれし涙が 先に立つ
江戸の雪道 並んで進む
赤穂浪士は 四十七


12.北の花嫁

作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介

暗い番屋(ばんや)に 灯りを点(とも)す
明るい女房に なってくれ
あなたの口説(くどき)に 乗せられました
津軽海峡 北へゆく
私は漁師の かみさんに あゝ なるんだよ

陸奥(むつ)の海越え 迎えに来たよ
ヨイショとわたしを 抱きかかえ
漁船に乗せたよ 大きな腕と
心やさしい 人柄に
わたしの両親(ふたおや) まっ先に あゝ 惚れちゃった

北で育った もぎたて乙女
漁師のお嫁に いった夜は
釜臥山(かまふせやま)から 昇った月も
りんご娘を 松前の
男に奪われ 口惜(くや)しいと あゝ 泣いたとさ


13.おんなの湖畔

作詞:石本美由起
作曲:水森英夫

最後のメールを あなたに送り
さめた コーヒー 淋しくすする
言葉も絶えた この部屋の
ベッドに眠る 私の恋よ
ここは 雪国 湖畔のホテル
ああ 田沢湖に 陽が沈む

あなたの心に もう 一人だけ
愛に 冷たい あなたがいたの
一緒に 暮らす 幸せも
約束だけの むなしい夢ね
おんな ひとりで たたずむ湖畔
ああ 駒ヶ岳 風が泣く

後ろを 向かずに 出直すつもり
明日は 笑顔で 手を振りましょう
さよなら 愛の たつこ像
お湯の乳頭 訪ねて行くわ
落葉化粧が 心を染める
ああ 田沢湖は 秋景色


14.悲恋華

作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介

春には春の 花が咲き
秋には秋の 花が咲く
季節の外に 咲くかのように
うちすてられた 悲恋華の
花は淋しく 散ってゆく

散りしく花を 踏みつけて
無情に人は 往きすぎる
実らぬ恋に 泣く花もあり
よろこびあふれ 熟れし実を
ふたり貪る 恋もある

あざみの如き 刺をもつ
心の花よ 初恋は
実らぬとても 愛しき花よ
叶わぬ恋に 身を焦がし
胸の谷間に 散らす紅